Medical Tribune Vol.45, No.38で、関節リウマチに関する記事がありました。
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RA患者への生物学的製剤投与は悪性腫瘍の増加と関係せず
Lopez-Olivo MA,et al. JAMA 2012; 308: 898-908.
ABA, ADA, ETN, GLM, INF, TCZ, リツキシマブ, certolizumab, anakinraのランダム化比較試験(RCT)を検索して、生物学的製剤の安全性をプラセボまたは抗リウマチ薬(DMARD)と比較した6ヶ月以上の試験を対象にメタ解析を行い、悪性腫瘍のリスクを評価した
63件のRCT(患者数計29423例)、試験期間中の悪性腫瘍発症は211例、うちリンパ腫は14例だったそうです。解析の結果、治療開始後1年間の悪性腫瘍発症率は生物学的製剤+MTX群が0.77%、生物学的製剤単独群が0.64%、コントロール群が0.66%といずれも低く有意差はなかった。
腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬群ではコントロール群にと比べてリンパ腫の発症が多かったが、有意なリスク上昇は観察されなかった。
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対象期間が6ヶ月以上と比較的短期間なので、この論文だけで生物学的製剤投与で悪性腫瘍の増加は関係せずとはいえないと思います。あと有意差がないとはいえ、TNF阻害薬群でリンパ腫の発症が多かったのは気持ち悪いですね。